動かないと筋肉が減少するメカニズムを解明ー神戸大学

神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門の小川渉教授らの研究グループは、動かないと筋肉の量が減少するメカニズムを世界で初めて明らかにしました。筋肉が減少すると、運動能力が低下するだけでなく、様々な病気にかかりやすくなり、寿命の短縮にも繋がります。筋肉は動かさないと減ってしまうことは良く知られていますが、そのメカニズムは明らかではありませんでした。

神戸大学 プレスリリース より引用 (https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2022_03_15_01.html

神戸大学の発表によると、筋肉を動かさないと筋肉内のカルシウム濃度が低くなり、これが筋肉を減らす引き金になる事が分かったそうです。そしてこの際に、Piezo1、KLF15、IL-6という3つのタンパクが順番に働くことによって、筋肉量が減ることも突き止めました。これらのタンパクに作用する薬剤を開発できれば、筋肉減少に対する治療薬になることが期待されます。

加齢による筋肉の減少と運動能力の低下は「サルコペニア」と呼ばれ、高齢者が増加し続ける我が国で、大きな問題となっている健康上の問題です。

もちろん、ケアタスの様な運動プログラムに参加して筋肉量を維持、増大する事は有効な手段ですが、さまざま事情により運動が出来ない方もいます。その様な方には、将来、筋肉を減少させない治療薬が開発されたとしたら、選択肢が増えるという事になりますね。